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08よく聞く腸活とその効果‐腸とお肌はどう関係?最新の「腸活」事情を解説

ほとんどの人が一度は耳にしたことのある「腸活」。ダイエットや健康に良いとよく言われているけれど、「そもそも腸活って何をするの?」と、なんとなくスッキリしていない人もいるのではないでしょうか。 近年「第二の脳」とも言われているほど注目され続けている「腸」。身体の中で脳と腸は離れていても、脳は腸に影響を、腸も脳にとお互いに大きな影響を及ぼすことがわかっています。 本記事では、最新の「腸活」についてとその効果、注目され続けている理由を解説します。

 

そもそも「腸活」とは?

腸活とは、腸内環境を整え、心身を良好な状態に維持する生活スタイルのことを言います。もともと下痢や便秘など「おなかの悩み」を持つ人や、関連して起こりうる肌荒れ対策としてなど、美容や健康に関心の高い人の間で一般的になりました。 一方、近年の科学的研究では、脳と腸は「脳腸相関」と言って、お互い密接に影響を及ぼしあっていることがわかってきています。言い換えれば、肌荒れや美肌も腸内環境次第。腸が健康だと体内から身体が整い、全身の健康維持が期待できると、美容に関心の高い人の間だけでなく、健康な毎日を送るための重要な生活習慣として、一層注目を集めています。

 

「腸活」と言えば「腸内フローラ」

わたしたちの健康を左右する「おなか」。そのおなかをコントロールしているのが腸に棲む微生物‐腸内細菌です。 腸の中には約数百から1,000種、100兆個もの多種多様な腸内細菌がびっしりと生息しており、その様子が「お花畑([英] flora)」のようにみえることから「腸内フローラ」と呼ばれています。 腸内フローラは次の三種類―善玉菌、悪玉菌、日和見菌―に分類されます。 善玉菌: 身体に良い働きをする菌 (乳酸菌やビフィズス菌、乳酸桿菌‐ラクトバチルスなど) 悪玉菌:  身体に悪い働きをする菌 (ウォルシュ菌やブドウ球菌など) 日和見菌:  腸内フローラのバランスに左右され、日和見的に良い働きも悪い働きもする菌 これまでは、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌が最も多い7割というバランス構成が健康的とされ、良い働きをする善玉菌を増やすことが大切と言われていました。しかし、近年の科学研究では、善玉菌の中にも状況次第では悪さをする菌、また悪玉菌と思われていた菌でもよい働きする菌の存在がわかり、腸内は実は「多様」な状態であることがわかってきました。 腸内細菌の善悪を一概に区別できなくなり、多種多様な多くの菌が腸内で連携をとり、バランスよく生きている状態‐腸内フローラの「多様性」が重要と言われています。たとえば、病気の人はその「多様性」が健康な人より低下していることがわかっているのです。

 

腸活するとどうなるの?うれしい効果は?

腸活には、健康面・美容面で様々なメリットがあります。実際に理想的な腸内フローラの状態を目指し、腸内環境を整えると具体的にどんな効果が得られるのか説明していきます。 腸内環境のコンディションの影響として現れるところのひとつは、「肌」。腸内フローラが乱れると、ニキビ、吹き出物などを引き起こし、悪い影響を及ぼします。また、腸活することで便秘などの便通改善につながり、肌荒れを抑えることが期待できます。 腸内フローラの乱れが続けば、当然お肌のハリやツヤなど、お肌のコンディションも悪化してしまいます。腸とお肌は密接に関係しており、お肌のコンディションは見た目年齢にも大きく影響しますから、美肌を保つために腸活は欠かせないと言えるでしょう。 また、アレルギーや風邪の予防、改善への効果も期待できます。わたしたち身体の免疫システムと腸は密接に関係していて、腸の働きがよくなると免疫力がアップすることがわかっています。免疫力が上がれば、結果アレルギーの諸症状の緩和につながります。また、免疫力アップは風邪などの予防対策としても効果的です。 肥満と腸内フローラの研究は年々徐々に進んでおり、最近では、肥満体質には「太る腸内細菌」、やせる体質には「やせる腸内細菌」と考えられる菌の存在が見つかりました。腸活がダイエットに大きく影響することは言うまでもありませんね。 さらに、腸活はメンタル面での効果も期待できると言われています。「脳腸相関」で脳と腸が密接に影響しあっているということは、身体の健康だけではなく、メンタルヘルスにも及びます。近年の研究では、脳がストレスと感じると腸内環境が乱れ、腸内環境が乱れると脳がまたストレスと感じるという悪循環を引き起こすことがわかりはじめました。 腸内フローラは、心の健康を保つ物質と身体の健康を保つ物質の両者を作り出します。これらには共通部分も多いことがわかっており、腸内環境を整えることは身体の健康を維持・向上させるためだけではなく、メンタル面でも良い影響を与えると考えられています。 このように、腸活は身体だけでなく、心の状態にも良い効果をもたらしてくれます。では、もう少し詳しく解説します。

 

①腸活で自律神経が整う

朝、出勤時におなかの調子が悪くなってトイレに駆け込んだ経験はありませんか?また、大事な会議の前におなかを壊したことがある人はいませんか? そんなおなかの不調も腸と自律神経が互いに影響しあって引き起こされています。では、腸と自律神経がどういう仕組みで働いているのか、確認してみましょう。 腸には自律神経がたくさんあり、「自律神経を整える」ための重要な場所といわれています。自律神経とは、身体の様々な器官を調整し制御する神経系のことです。 自分の意志とは無関係に24時間働き続ける自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つがあります。交感神経は活動する際に活発に機能し、ストレスを感じたときには、心拍数や血圧などを上げるように働きます。一方、副交感神経はリラックスしている際に活発に機能し、リラックスしたときには心拍数や血圧などを下げるように働くのが特徴です。 腸活をして腸内環境が整った状態になると、腸の自律神経が働きやすくなり、心身ともにリラックスしやすくなり、ストレスを感じにくくなるとされています。 腸内環境が整うと、より腸の自律神経も働きやすくなり、さらに心身ともにリラックスした状態になることができます。 自律神経を整え、働きをよくするためには、適度な運動を取り入れ、睡眠を十分にとり、栄養バランスの良い食生活をおくるなど、ストレスを適度に発散しながら、身体の健康を維持することが大切です。

 

②便秘は万病のもと!便秘の改善で美肌もゲット

腸活は便秘の改善も期待できます。便秘になる要因は様々ですが、食生活、生活リズムの乱れ、ストレスなどが原因とされています。 本来であれば副交感神経の働きによって腸のぜん動運動がおこり排便を促しますが、ストレスなどにより自律神経のバランスが乱れると、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、便秘を引きこします。 また、腸の自律神経は、腸内環境や身体の状態によって働き方が変わります。つまり、腸活で腸内環境が整うと、心身とともにリラックスしやすい状態になり、腸の自律神経の働きを高めてくれるのです。腸の自律神経が働きやすくなると、副交感神経の働きが優位となりぜん動運動も活発になり、便通の改善が期待できます。

 

③免疫力もアップ!

腸は、消化することだけでなく、免疫力を高めることもできる器官です。腸内には、腸管内壁にある免疫細胞や細菌などがたくさん存在しているため、腸内環境を整えることは免疫力を高めるとされています。 わたしたちは口で食事をとり、取り入れた食べ物が胃や腸の消化器官を通り、便となって外へ排出されます。口からは食べ物以外にもさまざまな細菌やウィルス、病原菌、アレルギー源などが体内に侵入してきます。腸は、必然的にこれらの外敵脅威に常にさらされているため、これら外敵から身体を守るために腸には免疫細胞の約70%が集まり「腸管免疫」と呼ばれる体内で最大の免疫機能を備えているのです。つまり、腸の健康を保つことが、免疫力をアップさせる重要なポイント。免疫力が高まれば風邪やアレルギーの予防にもなりますね!本当に腸活することのメリットは数え切れません。

 

④肌トラブルの改善まで!腸活ってどこまで万能?

腸内環境が乱れると、様々な身体の不調を引き起こすことがあります。肌荒れもそのひとつ。肌の調子と腸は密接な関係にあり、肌荒れや吹き出物などの肌トラブルは腸内環境の乱れが原因かもしれません。 腸内細菌は、わたしたちが食べたものを栄養として取り入れながら生きています。しかし、腸内環境が乱れると腸のぜん動運動は鈍くなり、便秘が引き起こされます。 腸に残った不必要な消化物や発生した体内毒素は便として排出していますが、便秘になり、便が腸に長時間滞留すると、さらに有害物質を生成します。その腸で作り出された有害物質は出口を求め、血液を通じ全身に巡り、肌にまで到達します。その有害物質は肌にたまり、吹き出物やニキビ、肌荒れ、さらにくすみといった肌のトラブルを引き起こすのです。 肌内部に起因して起こる肌トラブルもありますが、ストレスや栄養バランスの悪さによる腸内環境の悪化が肌荒れの一番の原因となることも少なくありません。 腸内環境の悪化は美肌の大敵。腸の働きによって、肌の調子は左右されているのです。

 

腸活にすぐに実践おすすめ4選、「睡眠」「運動」「ストレスケア」そして「白湯」

腸がいかにわたしたちの体調と深い関係にあるのか、腸活のメリットをご紹介してきました。では、その「腸活」をどう始めたらいいのか、自分ひとりですぐに実践できる、おすすめ4選をお伝えします。

 

①質の良い睡眠

睡眠は、腸内環境を整える上では欠かせません。腸では、様々な物質を生成していますが、睡眠時には睡眠ホルモン=メラトニンが必要です。この睡眠ホルモン(メラトニン)は「セロトニン」というホルモンから生成されており、このセロトニンの90%以上は腸で作られているのです。つまり、睡眠ホルモン(メラトニン)を増やすためには、もととなる「セロトニン」の生産が促されるよう「腸」を整えることが最も効果的です。

 

②運動する

適度な運動は、腸内環境を整える上で欠かせません。運動することで、腸内の細菌が増え、腸内環境が整うことが期待されます。適度な運動は腸を刺激し、蠕動運動を高めてくれるそう。また、運動することでストレス発散にもつながります。 また、腸活のための運動は、アスリートのようなハードである必要はなく、ウォーキングやストレッチなど、軽いエクササイズが適しています。過度な運動は腸内環境を悪化させる可能性もあるので注意してください。

 

③ストレスケア

ストレスも、腸内環境を乱す原因の1つ。朝、通勤時のおなかの不調や会議前の腹痛などは、ストレスが腸内細菌のバランスを変化させてしまうために起こる場合があります。 腸では、心の健康を保つ物質と身体の健康を保つ物質を作り出していますが、これらには共通部分も多いことがわかっており、腸活すると、心身とともに身体の健康状態をより良くすることが期待できます。 ストレスケアは、心と身体、腸の好循環を生み出せる可能性があるとされており、そのためには、リラックスするための方法を見つけることが大切です。好きなリラックス法を見つけて、定期的に行いましょう。

 

④生活習慣の改善、食事と水分補給

健康的な食生活は、腸内環境を整える上で必須事項。腸内細菌の種類やバランスは長期間その人が食べているものによって決まってくることが複数の研究でわかっています。 腸内環境を整えるためには、食物繊維をたっぷりと、水分も十分に摂るようにしましょう。さらに、水分を取る際に白湯にすると体温を下げることなく摂取でき、内臓が温まるため、腸の動きをより活発化することが期待できるのでおすすめ。 食物繊維は、腸内での消化や吸収を促すので積極的に摂るようにしましょう。食事では肉や魚、卵、乳製品、野菜、フルーツなどバランスよく摂ることがとても大切です。加工食品やアルコール、タバコの使用を控えるとさらに有効なんだそう。健康的な食生活が腸内環境を整えてくれます。

 

腸が変われば、心も身体も健やかに美しく

自分ひとりでも簡単に実践できるうえに、心と身体の健やかさ、そして美しさも手に入りそうな万能な「腸活」。最近注目されている理由はお分かりいただけましたか? 「第二の脳」とも言われている腸は、近年注目を集め続けており、24時間365日休むことなく、わたしたちの身体で非常に重要な役割を果たしてくれています。 近年の「腸活」ブームで関心をもつ人は増え続けていますが、正しく理解し、効果的に実践することが大切です。この記事を参考に、これからの次世代腸活にアップデートしてみてはいかがでしょうか。

 

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